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クリプトスポリジウム・ジアルジア

牛や豚等に寄生する微生物で、人間の口から入ると激しい下痢症状を起こし、免疫力が低下している老人や乳幼児、免疫不全患者では、死に至ることもあります。また、強い耐塩素性があり水道水の消毒に用いられている程度の塩素濃度では、不活化されません。また、クリプトスポリジウムほど激しくはないものの、似たような症状を引き起こすものにジアルジアがあります。ジアルジアもクリプトスポリジウムほどではありませんが消毒用の塩素に強いという性質があります。しかし、どちらも浄水場のろ過処理で、ほとんどが除去できるため、水源で大量に発生しない限り影響はありません。しかし、ろ過設備が設置されていない施設が、特に小規模な水道施設に多く残存しており、クリプトスポリジウムの汚染が問題になっています。一方、紫外線照射がクリプトスポリジウム及びジアルジアの不活化に有効であるという報告があり、ろ過と比べて導入が容易であり、有効な方法と考えられています。

大腸菌

 「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」において大腸菌は、水道原水の糞便による汚染の指標として有効であること、また、嫌気性芽胞菌は、塩素耐性を有しその出現においてクリプトスポリジウム等原虫との高い相関が認められていることから、水道原水に係るクリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断材料として、これら指標菌を2項目とも検査し、そのうち1項目でも検出されれば、クリプトスポリジウムによる汚染のおそれがあると判断するとなっています。  また、この大腸菌の検査方法としては、「水道における指標菌及びクリプトスポリジウム等の検査方法について」において、定性法が示されています。

嫌気性芽胞菌

 嫌気とは、酸素がない状態をいいます。芽胞とは、胞子膜、皮層、芯部からなり、胞子膜の外側に外皮を持つものもあります。芽胞を作る能力を持った細菌が、栄養や温度などの環境が悪い状態に置かれたり、消毒剤等と接触したりすると、細菌の細胞内部に芽胞が形成され、このとき、細菌の遺伝子が複製されてその片方は芽胞の中に分配されます。芽胞は極めて高い耐久性を持っており、さらに環境が悪化して通常の細菌が死滅する状況に陥っても生き残ることが可能です。しかし、芽胞の状態では細菌は新たに分裂することができず、その代謝も限られています。生き残った芽胞が、再びその細菌の増殖に適した環境に置かれると、芽胞は発芽して、通常の増殖・代謝能を有する菌体が作られます。このように、嫌気性芽胞菌とは、酸素がない環境でも増殖でき、芽胞を形成することができる菌をいいます。
 「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」において、大腸菌は、水道原水の糞便による汚染の指標として有効であること、また、嫌気性芽胞菌は、塩素耐性を有しその出現においてクリプトスポリジウム等原虫との高い相関が認められていることから、水道原水に係るクリプトスポリジウムによる汚染のおそれの判断材料として、これら指標菌を2項目とも検査し、そのうち1項目でも検出されれば、クリプトスポリジウムによる汚染のおそれがあると判断するとなっています。

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