水道水のトラブル解決法~原因と対策~
水や容器が変色する
哺乳瓶の乳首が黒くなる
原因
給水管や給湯設備に使用している銅管から水道水に微量の銅が溶出し、乳首のゴム成分の硫黄と反応し、硫化銅が形成し、黒色に変化します。また、空気中の細菌やカビ等の雑菌が原因となる場合もあります。
対策
哺乳瓶の乳首をよく洗い、よく乾かして下さい。黒く変化した場合は、乳児が使用するので新しい乳首と交換したほうが良いかと思います。
魔法瓶の中が黒くなる
原因
給湯設備から直接何回もお湯を注ぎ足すと、使用されている銅管等より微量の銅が溶出し、始めは青く、付着する量が多くなるにつれて黒色を呈します。
対策
給湯設備から直接お湯を入れないで水道水をやかん・ポット等に汲みお湯を沸かします。なお、給湯栓からでは銅が溶出しやすいです。
アルミニウム製容器の内面が黒変化する
原因
アルミニウム製品の表面にアルマイト加工した腐食防止用のアルマイト皮膜が空だきや金属たわし等で破損または劣化し、水道水の微量の鉄、銅と反応して黒変化したと考えられます。
*アルミニウムの黒変化現象
対策
スポンジ等柔らかい物を使用して下さい。ただし、アルミニウム製品は丁寧に扱ったとしても長時間の使用による「アルミニウムの黒変化現象」は避けられません。
*人体には無害です。
浴室のタイルや、水切りかご等が黒くなる
原因
浴室のタイル、トイレ。洗面所等の衛生陶器やホールの内面、タオルなど常に湿った状態にある場所では、空気中の細菌やカビ等は繁殖し、黒く着色します。
*このカビはクラドスポリウム菌、オーレオバシディウム菌等で衛生的によい状態ではないです。
対策
清掃や換気を充分に行って下さい。洗剤でとれない場合は漂白剤を使用します。ただし、浄化槽を使用しているご家庭の場合は、漂白剤の使用方法に注意して下さい。
洗面所やタイル等が青くなる
原因
給湯設備に使用している銅管類よりどうが溶出し、石けんの脂肪酸等と反応して青色の「銅石鹸」が生成され、洗面所やタイル等に付着するためと思われます。
対策
銅の溶出が著しい場合は、ステンレス管等への取替が必要です。着色したタイル等は約10%のアンモニア水を少量滴下し、よく拭取り、食酢で中和し、水でよく洗い流して下さい。布等が青く染まった場合は、70~80℃に温め、食酢に浸し脱色すると良いでしょう。
浴室、タイル、トイレ洗面所の衛生陶器がピンクになる
原因
空気中の浮遊雑菌の中で霊菌と呼ばれる細菌が生育するとピンク色の色素を形成することがあります。その菌が汚れや湿気の多い浴室等で繁殖する場合に起こります。
対策
湿気の多い浴室等の水周りの清掃、換気を充分に行って下さい。漂白剤の使用も効果はありますが、浄化槽を使用しているご家庭は使用上の注意が必要になります。
ふきんが紫色になる
原因
空気中に浮遊する細菌やカビ類が汚れや湿気を帯びたふきんに繁殖して紫色のシミになります。特に梅雨時等高温多湿の環境で発生することが多いです。
対策
ふきんを充分に洗浄し、雑菌が繁殖しないように乾燥させて下さい。定期的にふきんを煮沸洗浄することも効果があります。
浴槽の水が青く見える
原因
海や湖が青く見えるのと同じで、太陽光線の可視光線によるもの。
*特にアイボリーやホワイト系の浴槽でこの現象が顕著にみられます。
給湯設備に使用している銅管から銅が溶出している場合は、シャワーカーテン等にも青く着色を起こすことがあります。
対策
可視光線の場合は水の着色ではないので、水質的な問題はありません。浴槽の場合、お湯を飲用しない限り問題はないですが、給湯設備の場合は、お湯を給湯配管から使用せず、水から沸かすと銅は混入しません。
米のとぎ汁が薄緑色になる
原因
水道水のアルカリ分が異常に高くなると、米のとぎ汁と反応して薄緑色になります。pH8.5~9.0になるとこの現象が起こります。
対策
pHが高くなる原因は、新設コンクリート製受水槽や水の停滞しやすい端末のモルタルライニング部等からアルカリ分が溶出する場合です。上記受水槽の十分なあく抜き、または、水道水が停滞しやすい地域では配管内の捨水及び布設替え等が必要になります。
飲み残しのお茶が紫色になる
原因
水道水中の鉄がお茶の成分のタンニンと反応し、紫色のタンニン鉄が生成することによるものと思われます。
対策
配・給水管等の腐食により鉄が溶出するためで、すでに赤水障害が発生している場合が多い。原因箇所を確認し、布設替え等が必要です。また、タンニン鉄自体は有害なものではないが、空気中の細菌やカビ等の雑菌が繁殖する事があるので容器をよく洗ってから使用することをおすすめします。
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