保存試験(消費・賞味期限表示に関する試験)
消費期限又は賞味期限の設定は、その食品の特性、品質変化の要因や原材料の衛生状態、製造・加工時の衛生管理の状態、容器包装の形態、保存状態等、その食品に関する知見や情報を有している必要があることから、表示義務者である製造業者、加工業者又は販売業者等が行うことになります。したがって、設定する期限については、製造業者等自らが責任を持っていることになります。
このため、製造業者等において、客観的な期限の設定のために、微生物試験、理化学試験等の結果等、科学的・合理的な根拠に基づいて期限を設定する必要があります。
当研究所では、微生物試験、理化学試験等、消費期限又は賞味期限の設定のための保存試験を行っています。
賞味期限
未開封で定められた方法に従い保存した場合においしく食べられる期間です。
期限が過ぎてからすぐに食べられなくなるものではありません。
ハムやソーセージ、缶詰やスナック菓子などによく使用されます。
消費期限
未開封で定められた方法に従って保存した場合に、腐敗や変敗など衛生上の危害が発生する恐れがなく、安全に食べられる期間です。
弁当、惣菜、調理パン、生菓子などによく使用されます。
期限の設定方法
消費・賞味期限の目標日数を決め、食品の品質のバラつきなどを考慮し、余裕をもって、その目標日数を0.7(安全係数)で割った日数で検査を実施します。
※安全係数・・・食品の特性に応じて1未満の係数で求めます。
食品の品質の変動が少ないものでは、0.8以上が望ましいとされていますが、
惣菜などは変動が多い可能性があるということから0.7~0.8が多く用いられています。
例えば・・・目標とする期限を7日にしたいという場合
7日÷0.7(一般的な安全係数)=10日
10日間保存した後検査を行い異常が認められなければ、7日の期限で設定することが可能です。
検査の日程に関しては、製造直後から保存期間中の菌数の推移などを把握するためにも、初日、10日後以外にも数回検査を行った方がわかりやすいです。
検査について
検査項目は、検査品により様々な項目があります。当研究所でもご相談いただければ対応させていただきます。
保存温度に関しましては、お客様で設定していただきますので、依頼の際に指定して下さい。